はたらく“人”を知る
介護技術を越えた、柔軟な対応をモットーとして
「擬似家族」のような近しさとやすらぎを提供したい。

フローレンスケア芦花公園ホーム長菅根 雄一郎さん
なぜ、介護のお仕事に?
小中高時代に、四肢まひの障害のある友人がいて、日常的に彼の車いすを仲間内で持ち上げるなどしていたんですね。90年代で、世の中全般にまだバリアフリー化も進んでおらず、学校も普通校でしたが、生活の一部として自然に接していました。
そして進学の際には福祉の道に進もうと、温泉療法を学びたくて、リハビリを専攻しました。卒業して1996年に、神奈川県秦野市の鶴巻温泉病院に入職。全国でも有数規模の慢性期病院ですが、当時も600床近くあり、私の代で介護福祉士が6期生と先輩も多く、学ぶことの多かった職場です。
その後、有料老人ホームの運営会社に転職してホームの立ち上げ・運営に多数関わりました。やがて1年ほど、父の介護を経て、再び介護の仕事に戻ったのが「フローレンスケア」です。「フローレンスケア荻窪」で主任、ホーム長を務め、「フローレンスケア芦花公園」に移って、現在に至ります。
介護福祉士としての基礎を築いたのが、病院だったのですね。
当時、日々の仕事は病棟単位ですが、医師も看護師もケアスタッフも入り混じって、仕事の後まで患者さんのこと、介護や医療の体制のことなどを熱く話し合ったものです。地元の飲食店でも、よくそんな感じになっていましたね。いろんな病態や段階の患者さんを担当する、病棟を横断して、互いにとって参考になる情報を共有、交換するのがとても勉強になったと思います。
そうしたことが、ホーム長となった今もベースになっています。
「フローレンスケア」は生活の中でのリハビリを大事にされているそうですね。
やはりご家族にしても、今の状態をなるべく維持されたい、ここから衰えさせたくない、ご飯も美味しく食べられるようでいてほしいというのが願いでしょう。
そのためのサポートが使命ですので、理学療法士である機能訓練士とともに、生活の中で何ができるかを考えています。
平行棒やバイクなどの器具で運動するよりは、個別にお部屋に伺ってそこで動作を確認したり、座ってテレビを見ながらでも足をちょっと上げていただいたりと、自然に行うのがよいのですね。
また、なかなか外に出たがらない方には、何か甘いものでも買いに行きませんかと、すぐ隣のスーパーまでお誘いすることもあります。本格的なリハビリを望まれる場合には、近くのリハビリ病院や訪問リハビリの利用をご提案するなど、それぞれのご要望に応じた対応を心がけています。
また、そうしたご入居者さまの様子を丁寧に、ご家族にお伝えすることも大事にしています。
日々のケアで心がけていることは?
60人近くの方をお世話するに当たり、効率的に行いたいこともあるのですが、それでもなるべくお一人おひとりの様子をふまえてさせていただくようにしています。たとえば、お風呂もこの方は何曜日にと決まってはいますが、ご気分が乗らなかったりする場合には無理強いはせずに、他の曜日の方と調節するなどですね。認知症などでそうした傾向がお強い方については、もともと入浴日は決めずに、毎日入っていただけそうか試したりもします。それで気持ちよく入っていただける日があればよいのです。介助において技術は大切ですが、予定どおりにこなすことと同じくらい、場を見て柔軟に対応することも重要なのだと思います。
どういうホームでありたいと思われますか?
高齢化社会ですので、入居される方の様子もさまざまです。
ずっと元気でおられて100歳を目前に入居される方もあれば、60代でも認知症や精神疾患などをお持ちの場合もあります。また、若い頃からご家族とは疎遠で、経済的には問題なくても何かと相談できる近しい方がおられないといったことも。はたまた、娘さんが仕事をしながら一人で高齢のお母さんを自宅でお世話され、すっかり疲弊されていらっしゃるようなこともあります。
「フローレンスケア芦花公園」では、ある程度難しい条件の方でもなるべくお引き受けできるよう相談させていただいていますので、ぜひ頼ってもらいたいです。ご本人にとってもご家族にとっても、今日という日をこの場所で過ごせてよかったと思ってもらえるよう、「擬似家族」のような近しい存在でありたいですね。
ご入居を検討されている方へ、メッセージをお願いします。
「フローレンスケア芦花公園」は京王線芦花公園駅から徒歩3分と近く、また千歳烏山や高井戸辺りからも自転車で便利なので、面会がしやすいと選んでいただくことの多いホームです。
日々お世話していてのご様子や緊急時のご連絡など、ご家族との連携は密にしていますが、電話やメールより、やはり直接お話できるに越したことはありません。そうして安心いただき、信頼いただいてご入居者さまを見守ってまいりたいですね。
最近は終活がいわれるためか、お友達同士で誘い合わせて見学される方が増えています。
しんどくなられてからではなく、早いうちから将来を考えて、いろいろなホームをご覧いただくのがよいのではないでしょうか。その中で「フローレンスケア芦花公園」を気に入っていただければ有難いと思います。
入居すると生活の場が大きく変化しますが、居室内はなるべくご自宅の様子に近く、慣れ親しんだ椅子や湯飲みをお持ちいただいたりしています。以前は駐車場管理をされていた方が、当時使っていた黒電話をお持ちになり、仕事されていた事務所のような雰囲気で居室を使われていたりもします。そんな風に、その方なりの安心な環境で過ごしていただきたいですね。