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海洋散骨、自然保護葬、宇宙葬などの新しい埋葬

海洋散骨、自然保護葬、宇宙葬などの新しい埋葬

自然回帰への志向で、海洋散骨や自然に還る新しい埋葬方法が注目を集めています。その意味や種類、メリット・デメリット、費用などについて紹介します。

    海洋散骨、自然保護葬、宇宙葬などの新しい埋葬とは

    人にとって死後自分はどこに行くのか、そのためには自分の遺体、遺骨、遺灰はどうするかは永遠の課題です。埋葬では現代でも宗教上の理由でキリスト教、イスラム教でも土葬が基本です。キリスト教では死後の復活のため土葬です。自然回帰の考え方では、鳥葬などの文化はヒマラヤ、チベット地方では一部にあります。また、仏教の中にも自然回帰の考え方があります。

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    現代でも環境意識の高まりの中で、自然回帰に関する自然葬を中心に新しい埋葬について紹介します。

    自然葬にはいくつかの種類があります。近年注目されつつある自然葬は、従来のお墓に遺骨を埋葬する一般的な方法とは少し違った葬送方法で、自然に還る考え方を前提としたものです。現代の自然保護的な志向性が高いものを自然保護葬とも言います。

    自然葬、自然保護葬とは

    自然葬も自然保護葬も、海や山などに遺体や遺灰を還すことにより、自然の大きな循環の中に回帰していこうとする葬送の方法です。自然葬は歴史的には、伝統的に、風葬、鳥葬、水葬、土葬などがあり、現在でもヒマラヤ、チベットではハゲワシなど鳥に遺体の処理を任せる「鳥葬」や、インドネシアでは、洞窟に遺体を安置して風化を待つ「風葬」等が行われています。明治以降の日本では火葬が義務付けられていますので、火葬後の遺骨、遺灰の海洋や空での散骨、樹木葬などの方法になります。自然保護葬とは、自然に還らない容器などで遺骨を遮蔽するのではなく、環境保護のため意識的に自然回帰、自然循環、自然消滅できる形態で埋葬するものです。ここでは自然保護葬を含めて自然葬として埋葬の種類を紹介します。

    自然葬の種類

    火葬後の遺骨を粉砕し粉骨とします。その遺灰を海や土に撒かれることで自然と一体化するもので散骨をします。散骨される場所により種類が分かれて埋葬方法が名づけられています。

    海洋散骨

    海洋散骨は、海に散骨をおこなう葬送方法です。遺骨を粉骨化して、船で沖へ移動し遺灰を散骨する方法です。一般的には外洋でおこないますが、周囲に迷惑の掛からない場所であれば近海で行うことも可能です。自身で散骨を行うこともできますが、専門の代行業者が多くあり委託するのが一般的です。

    河川散骨

    河川散骨は河川に散骨を行う方法です。インドの独立の父ガンジーの遺灰がガンジス川に散骨されたというのは明確な思想でもあるでしょう。ただし、日本では河川は公的管理下にあり、また、国土が狭く人が河川の近くに住んでいることから散骨はやりづらいでしょう。 

    山林散骨

    山林散骨は、山林で散骨を行う葬送方法です。故人が好きだった山岳場所や、安らかに眠れるよう景色が良い場所などを選ぶ場合が多くあります。土に埋めるのは墓地以外ではできません。地上に撒くにしても土地は誰かの所有地であり、山が好きだとして国立公園内に遺灰を撒けば環境汚染として問題になるでしょう。しいて問題にならない場合は、民有地の山林で地主の許可を得て散骨を行う場合だけでしょう。

    空中散骨

    国内でヘリコプターまたはセスナ機から空で散骨をするものです。適切な代行業者が無ければヘリコプターまたはセスナ機のチャーターが必要です。

    現在のところ代行事業者はありませんが、今後出てくると思われるものにドローン散骨があります。安い費用で手軽にできるかもしれませんが、ドローンで富士山に遺灰を撒けばやはり環境汚染として問題になるでしょう。海洋以外の陸地上での散骨は難しいのが現実です。

    宇宙散骨

    宇宙散骨は宇宙葬とも呼ばれ、宇宙空間へ遺骨を運ぶ葬送方法です。ロケットかバルーンによって散骨します。費用の点で、ロケットはまだ一般的ではないとは思いますが、バルーンでは、専用のバルーンに遺灰を乗せて、高度35km~50kmの成層圏へ到達させ気圧の変化でバルーンが破裂し遺灰も成層圏で飛び散るものです。ロケットでは、人工衛星が必要となり、アメリカでおこない、遺灰をカプセルに詰め、地球の軌道を周回した後大気圏に突入の際に遺灰は消滅します。

    樹木葬

    樹木葬は大きな樹木の下に遺骨、遺灰を埋葬するものですが、次の3種類の埋葬方法があります。

    a. 合祀(ごうし)型

    大きな樹木の下に他の人の遺骨、遺灰と一緒に埋葬します。埋葬後に個別の遺骨を取り出す事や、個別に供養する事は出来ません。土に還る原点の形態です。合葬型、合祀型です。他の人とともに祀(まつ)られます。

    b. 分離型

    合祀型との違いは、埋葬する地下区画を個別に分けているので、他の遺骨と一緒になる事がありません。分け方で容器に入れて行う場合は厳密には遺骨は自然には還りません。布の袋に入れて分け、長い間には袋も分解し土に還るというものがあります。

    自然葬に関する法律上の規制など

    法律上の規制

    ・「墓地・埋葬に関する法律」及び「刑法190条遺骨遺棄罪」

    前者は埋葬、火葬及び改葬について規定しており、埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域で行つてはならないという規定があります。遺灰を土中に埋める樹木葬も墓地の敷地内で行わなければなりません。後者は、「遺骨,遺髪または棺内に蔵置した物を損壊,遺棄または領得した者は,三年以下の懲役に処する」としており、遺体の取り扱いについての規制を行っています。

    つまり遺骨を原型にとどめたまま撒けば遺棄罪になり、散骨の際は必ず粉骨をすることが必要です。ちなみに祭祀承継者や遺族が葬送の目的で遺骨を粉状にすることは損壊罪にはあたりません。

    政府の見解

    法務省は、自然散骨について、「節度を持って葬送の一つとしておこなわれる限りは違法ではない」という見解を示しており、厚生労働省も、「散骨のような葬送の方法については墓地埋葬法では想定しておらず、法律の対象外である」との見解を示しています。両省とも非公式ながら、散骨を禁止はしていない旨の見解を示しています。

    しかし、散骨自体を肯定しているわけではなく、合法とも非合法とも言えないグレーゾーンに位置しているといえます。

    現状では、個人が節度を持って執りおこなった自然葬に関しては、特に法律で罰せられた事例はありません。そのため、場所や方法について自然葬を行う場所の周辺住民などの感情を十分考慮したうえで、地方自治体の規制条例もなければ、罰せられる可能性は低いといえます。

    ・一部地方自治体の条例規制

    ただし、一部の地方自治体では、自然葬を禁止したり、規制したりする動きがみられます。

    北海道長沼町、北海道七飯町、北海道岩見沢市、埼玉県秩父市、埼玉県本庄市、静岡県熱海市、静岡県伊東市、長野県諏訪市などです。業者による散骨が商業的に拡大していることへの警戒でしょう。地方自治体が規制をかけている場合があるので、自治体のホームページなどで確認をする必要があります。

    散骨時に守るべき常識やマナー

    散骨が地域で認められるためには、常識やマナーが必要でしょう。

    ・散骨する場所

    散骨をする場所は、公衆衛生や周りの人の感情についての問題から、散骨を避けた方がよい場合があります。公衆衛生上水源に近い場所は避けた方が適切です。また、人がよく集まる海水浴場や漁場・養殖場の近くは、遺骨を撒いたことによるイメージの悪化が懸念され、風評被害を受けたとして訴えられる可能性があります。

    自然葬のメリット・デメリット

    自然葬共通のメリットは、自然志向・自然回帰・環境保護の考え方にフィットし、墓地を用意する必要がないこと、遺族、子孫が墓地を継承する必要がないということです。しかし、こうした新しい考え方に共感を得られない可能性もあります。特に高齢の親族に反対されるケースが予想されます。故人が自然葬を希望していたのにも関わらず、親族などの反対がある場合は、話し合った末に分骨という選択肢もあります。

    それでは自然葬の種類によるメリット・デメリットを紹介します。

    樹木葬

    ・メリット

    ①遺骨が自然に還りやすいこと。

    ②お墓の承継者がいなくなっても他の人と一緒に合祀されていて安心なこと。

    ③生前の本人、お墓参りする遺族にとっても、木の根元は安らぎの場所であること。

    ④墓地や墓石を購入するより安価で済むこと。

    ・デメリット

    ①遺骨は粉末状にしないと散骨できないこと。

    ②埋葬場所は埋葬許可を受けた墓地でなければ処罰対象となること。

    ③他の人の遺骨と一緒になることに抵抗感を持つ人がいること。

    ④他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から個別に分離して取り出すことはできないこと。

    海洋葬

    ・メリット

    ①遺骨が自然に還りやすく、また、生物の生育の一端を担うことができること。

    ②海が好きな人には好まれ、壮大なイメージがあること。

    ③墓地や墓石を購入するより安価で済み、寺院・霊園の管理費が不要なこと。

    ・デメリット

    ①漁業関係者や遊泳場所への配慮から、海洋葬は船を使って外洋へ出る必要があること。

    ②船舶代などの費用が高いこと。

    ③墓標がないため埋葬場所が特定できず、抽象的なイメージしか残らないこと。

    ④海洋汚染につながるため、遺骨や花以外のものを撒くことができないこと。

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    自然葬の費用

    粉骨費

    散骨を行う場合は、必ず遺骨を細かく砕く粉骨の必要があります。

    費用は1万円~2万円が相場です。

    散骨費

    散骨を行う場合の費用は、種類別に見ると以下のようになります。

    海洋散骨

    海洋散骨を行う場合は、どこの海に散骨を行うかとセレモニーの規模で費用が変わります。

    船のチャーター費用は約30〜50万円が相場です。その他、現地までの交通費や宿泊費、散骨する際の献花やお供え物の費用が必要です。複数の家族による合同散骨の場合は代行業者により、粉骨料金を含めて約10万円前後になります。散骨を代行業者に任せる委託散骨の場合は、粉骨料金を含めて約5万円程度が相場です。

    山林散骨

    山林散骨を行う場合は、散骨を行う場所と誰に依頼するかで費用が変わります。

    一般的に代行業者は数少ないですが、3万円~程度でしょう。

    空中散骨

    国内でヘリコプターまたはセスナ機からの散骨をやるところもあります。代行業者で合同散骨プラン10万円~というのがあります。東京ヘリポート、調布飛行場、みなとみらいヘリポートから離発着し、散骨は海域で行います。費用は掛かりますが、ヘリコプターやセスナ機をチャーターすればその他の海洋などの場所で住民などに迷惑が掛からないのであれば可能です。

    宇宙散骨

    宇宙散骨の場合は、ロケット式なのかバルーン式なのかで大きく費用が変わります。

    同じロケット式の場合でも、ただ宇宙へ打ち上げるだけなら30万円程度で、ロケットの打ち上げは、日本国内ではなくアメリカで行うものがあります。そのため現地で見学する場合は渡航費などがかかります。バルーン式の場合は8万円~30万円で行うことが出来ます。

    樹木葬

    樹木葬には大きく分けて3種類あり、どれを選ぶかで費用が変わります。

    a. 合祀型

    5万円~20万円が相場です。

    b. 分離型

    15万円~80万円が相場です。

    自然葬は、故人の遺志に沿ったものですから本人は生前に遺書で残し、家族にも口頭で伝えておく必要があります。そうでないと親族の反対にあう恐れがあります。また、散骨では周辺住民とのトラブルを避け、平穏に故人を送るためにも、節度を持ち周囲に配慮した送葬を心がけることが重要でしょう。また、代行業者も商業主義に流され事業を拡大しすぎると、地方自治体の条例で散骨が禁止される恐れもあります。

    この記事を書いた人

    上田信雄

    上田信雄

    終活ライター、ビジネスライター、キャリアコンサルタント 一般社団法人 高齢者活躍支援協議会 理事 著書(ペンネーム上田信一郎)に、「“社畜”と言われようと会社は辞めるな!」角川マガジンズ角川SSC新書、「サードジョブ」講談社、「60歳からの仕事ガイド」実業之日本社、“現代「手に職」ガイド”実業之日本社 など多数。