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資産を守るための遺言書作成

資産を守るための遺言書作成

自分の死後に、財産を誰にどのように相続させるかを書き残すのが遺言です。 日本公証人連合会によると、2000年に約6万件だった公正証書遺言作成件数は、2014年に初めて10万件を突破、2018年には110,471件に達し、以後も着実に増加しているのだそうです。関心を持つ人が増えている、この遺言について解説します。

    遺言の概要

    遺言は、死亡した人が生前に示すことのできる最終の意思表示です。法律上定められた様式に準拠して作成することにより法的な効力を持ち、満15歳以上で、正常な判断能力がある者であれば、誰でも作成できます。

    なお、内容についての制限はなく、何を記載してもかまいませんが、法的に効力のある事項は下記に限られています。

    相続分の指定
    遺産分割方法の指定
    遺産分割の禁止(死亡後最長5年間有効)
    遺留分減殺方法の指定
    遺言執行者の指定
    未成年後見人の指定
    未成年後見監査人の指定
    遺産分割時の共同相続人間の担保責任の指定

    また、遺言者は新たな遺言を作成することで、以前の遺言を修正することも撤回することもできます。仮に複数の遺言が存在しても、原則として新しい日付の遺言が優先され、以前の遺言と一部だけ内容が異なる場合は、異なる部分だけが撤回されたものとみなされます。この場合、遺言の種類は問われず、公正証書で作った遺言を、その他の形式の遺言で修正や撤回することも、その逆も可能です。

    なお、生前に遺言の内容に抵触する行為をおこなったり、故意に遺言書を破棄した場合は、該当する部分について撤回したものとみなされます。ただし、公証役場等で保管している遺言の場合は、例え手元にある遺言書を破棄しても、遺言を撤回したとはみなされません。

    遺言の種類

    遺言には、普通方式遺言と特別方式遺言があります。ただし、特別方式遺言は特殊な状況下にあって、通常の遺言ができない場合にのみ認められる方式で、一般に作成されるのは普通方式遺言です。

    遺言の種類

    なお、普通方式遺言には以下のように要件が定められています。

    普通方式遺言

    (注)2020年7月10日より、法務局で自筆証書遺言の確認と保管をしてもらえる制度が施 行されます。この制度を利用した自筆証書遺言については、検認も不要です。

    遺言書作成のメリット

    遺言書を残しておくと、以下のようなケースに有効です。 

    ・相続人以外の人に財産を残したい
    ・障害がある子ども等、特定の相続人に財産を多く残したい
    ・相続人がいない
    ・子供も両親もいない夫婦
    ・所在不明の推定相続人がいる

    自分の身の回りの世話をしてくれている子どもの妻や、事情があって入籍していない内縁の配偶者には、法律上は相続権がありません。

    相続に関する民法が改正され、例え相続人でなくても、特別寄与料として金銭の支払いを相続人に請求できるようになりましたが、相続人の合意を得るか、裁判所へ請求しなければならず、その負担は大きいでしょう。そのうえ、必ず認められるという保証もなく、例え認められたとしても、納得できる金額をもらえるとは限りません。遺言書を残すことで、こうした人たちにも、あるいは甥や姪、友人などにも、相応の財産を渡すことができます。

    子どもに障害があったら、その子どもの将来がとても不安なことでしょう。他にも子どもがおられる場合は、法律上はあくまで同じ相続割合になってしまいます。こうした場合でも、遺言を残すことで、障害のある子どもにより多くの財産を残すことも、成年後見人を指定しておくことも可能になります。家を継ぐ長男に、遺産を多く残したい場合なども同様です。

    遺言作成

    相続人がいない場合、遺産は国のものになってしまいます。しかし、遺言書を残しておけば、例えば、介護が必要になった際に世話をしてもらうことなどを前提に、知人や友人に遺産を遺贈することができます。

    配偶者が亡くなって子どもも両親もおらず、亡くなった配偶者に兄弟姉妹がいる場合は、法律上は残された配偶者が3/4、亡くなった配偶者の兄弟姉妹が1/4を引き継ぎます。夫婦で築いてきた財産ですから、できればすべて配偶者に相続させたいと考えるのが人情でしょう。この場合、兄弟姉妹には遺留分減殺請求権はありませんので、遺言書を残しておきさえすれば、配偶者にすべて相続させることができます。

    連絡が取れない相続人がいると、遺産分割協議ができず、相続手続きに支障をきたします。こうした場合でも、遺言書を残しておけば、原則として遺産分割協議は必用ありませんので、相続手続きを進めることができます。

    このように、遺言には自分の財産の分割や、争族の防止に対して大きな効果が見込めます。ただし、遺産の分割割合が定められていない等、何らかの不備があれば、遺産分割協議が必要になる場合がありますので十分注意しましょう。

    遺言は認知症になるまえに作ったほうがいい?

    認知症の症状が発症し、程度が重い場合は、そもそも遺言書を作成すること自体ができません。自筆証書遺言であれば、一見、可能なように思えます。しかし、相続人の間で不和等がある場合は、「本当に本人が自分の意思で書いたのか」 「本人はそのとき認知症ではなかったか」、等々の疑念が持たれ、しかも証明が極めて困難な為、むしろ争族の要因になりかねません。

    公正証書遺言の場合は、公証人の他、証人2名の立ち合いが必須のため、こうした懸念はほぼないと言って良いでしょうが、自筆証書遺言の場合は、誰が見ても十分に判断能力があると認められる状態の時に作成する必要があります。

    従って、高齢者が遺言を作成する場合は、公正証書遺言にするか、認知症ではない旨の診断書を用意しておくなど、本人の意思である証拠を残す工夫が必要でしょう。

    遺言書作成は誰に相談すべき?

    遺言を書くにあたっては、相応の知識が必要です。適切な遺言は間単に書けるものではありません。安易に不備な遺言を残すと、逆に相続人の間に不和が生じ、目的に反して争族になってしまうことすらないとは言えません。

    公正証書遺言なら完璧と誤解しがちですが、確かに法律上の要件については安心できるとは言え、一般的には遺言を残す目的等、肝心の内容までは関与してもらえません。遺言書作成において、法的に有効であるかどうかはもちろん大切ですが、最も重要な点は、その遺言書で問題なく相続の手続きが進むのか、他の問題が生じないか、将来の状況の変化に備えられているか、相続人にわだかまりを残さないか、等々のことではないでしょうか。

    また、士業などの専門家でも、法律や税務などの自身の専門以外を考慮せずに、遺言書を作成するケースもみられます。恐ろしいのは、こうした問題が発覚するのは、相続が発生した後だと言うことです。そうなると、当然書き直しなどできません。適切な遺言を作成するためには、多岐にわたる知識が必用であり、専門家同士の連携が不可欠なのです。

    こうした点を考慮すると、相続問題の実績が豊富で、自身の専門外の専門家とも広く連携している専門家や、多様の専門家で構成されている組織に相談すると良いでしょう。ただし、真に信頼できる専門家や組織に依頼する必要があります。

    遺言書はどこに保管しておくべき?

    遺言は、自分の死後に相続人の目にとまらないことには意味がありません。誰かに中身を見られることを懸念して、隠してしまう人もいるようですが、万一自分の死後に相続人が遺言の存在に気が付かず、遺産分割が終わった後で発見されたりしたら、内容によっては再度遺産分割協議が必要になってしまう危険もあります。公正証書遺言や、2020年7月10日以降法務局に保管を申請した自筆証書遺言なら、それぞれ公証役場や法務局が原本を保管してくれますが、その他の遺言書はいったいどこに保管したら良いのでしょう?

    一つの方法として、利害関係が無い知人や、遺言作成を相談した専門家に預かってもらうことが考えられます。遺言を預かった人には保管責任があり、相続が発生した際に、家庭裁判所で検認手続きを行う必用があります。ただし、この保管を依頼した知人や専門家に、遺言者が亡くなったという情報がきちんとと伝わることが前提です。その為には、身近な相続人に、遺言書を残している事実と、誰に保管を依頼してあるかを明確に伝えて置く必要があるでしょう。また、専門家に保管を依頼する場合は、多少の保管料がかかる場合もあります。

    遺言書保管

    あるいは、信託銀行の遺言信託を利用することを検討しても良いでしょう。費用がかかることや、相続人が実際に遺言を見ようとする時に手間がかかる、などの問題はありますが、法人サービスですので、遺言の確実な執行という面では安心できます。

    その他、銀行の貸金庫に保管することも一案ですが、やはり使用料がかかることや、相続が発生した際に凍結されてしまう為、本人以外に代理人も利用できる契約にしておく必要があり、中身を見られたり、破棄されたりする懸念は否めません。

    資産を守るための遺言書作成 まとめ

    遺言は、生前に死後の自分の財産の分割方法を指示しておくことができ、争族も防止し得る大変有効な法律行為ですが、形式さえ整えれば良いというものではありません。重要なのは、その遺言書で相続人や関係者にわだかまりを残さず、スムーズに相続の手続きができるのかという点です。

    こうした点を考慮すると、やはり実績の豊富な専門家に相談のうえ、公正証書遺言にするか、自筆証書遺言でも2020年7月10日以降なら、法務局に保管を依頼する方が無難と思われます。

    この記事を書いた人

    佐藤喜三男

    佐藤喜三男

    大手証券会社、大手クレジットカード会社、新たな形態の銀行において、幅広い職種を30年間経験。これらの経験を活かし、ファイナンシャルプランナー兼相続診断士として、身近な事を何でも気軽に相談できる、資産・生活設計、終活・相続全般のゼネラリストとして活動中。