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成年後見制度は資産や財産、生活を守ってくれる

成年後見制度は資産や財産、生活を守ってくれる

成年後見制度は、認知症などで判断能力が十分ではなくなった人の権利を保護するための制度で、法定後見制度と任意後見制度の二つがあります。2000年4月に介護保険と共に始まり、当初は普及が進んでいないと言われてきました。しかし、厚生労働省によると、2018年12月現在では、両制度を併せた利用者数が218,142人に及び、制度の利用は着実に進んできています。この、判断能力が不十分な人の資産や財産、生活を守ってくれる、成年後見制度について解説します。

    法定後見制度の概要

    法定後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などで、本人の判断能力が十分ではなくなった際に、配偶者や親族などが家庭裁判所に申し立て、家庭裁判所が本人の権利を守る援助者である法定後見人を選任することで、本人を法律的に支援する制度です。

    法定後見人は、本人の判断能力によって「後見」、「保佐」、「補助」の3類型に区分され、生活状況に応じた支援をする義務があり、そのための法的権限が与えられています。

    法定後見制度

    法定後見人の役割は、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、本人に代わって財産を管理したり、必要な契約を結んだりすることで、本人を保護、支援することです。

    具体的には、財産管理や契約締結などの法律行為、財産目録の作成、収支報告書の作成、家庭裁判所への報告などがあり、本人の介護や、身の回りの世話などは含まれません。

    なお、家庭裁判所の審判次第ですが、本人の財産から報酬を受け取ることもでき、月2~3万円程度が一般的なようです。

    法定後見制度のメリット・デメリット

    法定後見制度のメリット

    契約行為面で安心できる
    財産管理面で安心できる
    中立な立場の人が後見人に選任される

    法定後見制度のメリットは、第一に契約行為面で安心できることでしょう。例えば本人の判断能力が低下して、施設への入所等の契約ができなくなっても、法定後見人が代わって手続きをしてくれます。なお、不要な高額商品を購入させられたり、財産を不当に安く売却してしまう、等の不利益な契約を締結してしまっても、法定後見人が取り消すことができます。

    また、財産管理でも安心できます。預金通帳や印鑑も法定後見人が保管して、生活資金の管理や、口座の解約手続きなども代行してもらえます。

    さらに、中立な立場の人が後見人に選任されることも、メリットの一つと言って良いでしょう。家庭裁判所は、様々な要素を考慮して後見人を選任します。弁護士等の専門家が選任されることも多く、事案によっては法定後見人を監督する後見監督人が選任され、一層慎重な管理がなされることもあります。

    法定後見制度のデメリット

    意中の人が選任されるとは限らず、資産の運用や活用が任意にできなくなる
    業務が長期間に及びがちで、報酬が発生する場合は注意が必用
    就業や公的資格などに対する制限を受ける

    法定後見制度には、もちろんデメリットもあります。例えば、意中の人が選任されるとは限らないことがその筆頭でしょうか。メリットの一つとして指摘した、中立な立場の人が後見人に選任されることと裏表になりますが、後見人は家庭裁判所が職権で選任するため、意中の人以外の者が選任されることも多く、そのことに不服を申し立てることはできません。結果として、資産の運用や活用が任意にできなくなり、場合によっては家族はもちろん、本人の希望とも違う結果になってしまうこともないとは言えません。

    また、法定後見人の業務は長期間に及ぶことが多いため、報酬が発生する場合は本人の財産のかなりの額が、後見人の報酬に消えてしまうことも有り得ます。

    さらに、法定後見制度を利用すると、症状の軽い「補助」の場合を除き、本人は就業や公的資格などに対する制限を受けることも理解しておきましょう。そもそも判断能力が低下している訳ですから、ある意味では当然とも言えますが、例えば会社の役員、医師、弁護士などの仕事につくことはできなくなり、その制限は多岐にわたります。

    任意後見制度の概要

    任意後見制度は、将来判断能力が不十分になる場合に備え、本人が十分な判断能力があるうちに、本人自身が選んだ代理人に、自分の判断能力が不十分になった際に支援を希望する内容を、契約によって代理権を与える制度です。なお、契約は公正証書で行います。

    ・本人が元気なうちに任意後見人を選ぶ
    ・任意後見人と支援内容を決め、公証役場で公正証書を作成する
    ・法務局で後見人と支援者の権限の内容を登記する → 登記事項証明書が発行
    ・本人の判断能力が懸念される症状が発症
    ・登記事項証明書を添付し、家庭裁判所に任意後見制度開始の申し立てをする
    ・家庭裁判所が、任意後見人を監督する任意後見監督人を選任する
    ↓ ↓ ↓ ↓
    任意後見契約が発効

    任意後見人は、任意後見契約発効後、契約に定められた法律行為について代理権を行使できますが、法定後見人のような取消権や同意権はありません。

    また、任意後見人は契約によって、任意後見監督人は家庭裁判所の決定で、本人から報酬を得ることができ、合計で月5万円程度が目安とされているようです。

    任意後見制度のメリット・デメリット

    (1)任意後見制度のメリット

    自分の希望をかなえやすい仕組み
    本人を保護するための仕組みが定められている
    利用者に就業や公的資格などに対する制限がない

    法定後見制度の第一のメリットは、自分の希望する人を選べ、且つ、依頼する内容を細かく契約に盛り込めることでしょう。元気なうちに自身が選んだ代理人に、将来の自分の生活や財産管理などについて任意に代理権を与えられ、自分の希望をかなえやすい仕組みと言えます。

    また、本人を保護するための仕組みが定められていることも指摘して良いでしょう。契約内容は公正証書で作成し、法務局で登記され、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して任意後見人を監視します。さらに、利用者に就業や公的資格などに対する制限がないことも特筆できます。

    任意後見制度のデメリット

    費用負担が伴い、財産流用の懸念も否定できない
    任意後見監督人が選任されるまで着手できず、取消権や同意権がない
    人選が容易ではない

    任意後見制度のデメリットは、公正証書の作成や印紙代、さらに、人選次第で報酬が発生し、長期にわたることもあるなど、費用負担が伴うこと、並びに、代理人に財産を流用される懸念も無いとは言えないことが第一でしょうか。代理人が本人の判断能力が低下しても家庭裁判所に申し立てず、任意代理契約を悪用して、財産を流用する懸念もないとは言えません。任意後見契約の発効前は、任意後見監督人が存在しないため、本人自らが代理人の不正に注意し、防止しなければならないのです。

    その他、例え元気なうちに任意後見人と契約できても、家庭裁判所が任意後見監督人を選任するまで、任意後見契約は発効しないこと、任意後見人には取消権や同意権がないことも忘れてはなりません。また、本人の判断能力の低下に、任意後見人が気付かない懸念もあります。そのため、コミュニケーションを密にできるよう、別途見守り契約の検討も必要でしょう。

    最後に、人選が容易ではないことも認識しておきましょう。家族を選ぶと相続問題で揉めることも有り、友人だと、万一不仲になると大変です。専門職に依頼する場合は、信頼関係が成就するまで何度も話し合う必要があるでしょう。

    法定後見制度と任意後見制度の比較

    次に、法定後見制度と任意後見制度を比較してみます。

    簡単に言えば、すでに本人の判断能力が衰えている場合、家族らが家庭裁判所に申請するのが「法定後見制度」、本人が元気なうちに、本人自らが契約によって、本人の希望を反映できるのが「任意後見制度」ということができます。

    成年後見人の要件

    法定後見人は家庭裁判所が職権で選任しますが、法定後見人も任意後見人も、資格に法律上の制限はありません。また、法人を後見人に選任したり、複数の後見人を立てることもできます。

    成年後見制度見直しの動き

    成年後見制度をより実効ならしめるため、見直しを検討する動きもあります。見直しの主なポイントは、後見人等の権限の拡大、被後見人の権利制限の緩和、そして、制度の利用促進と不正防止の強化の3項目に大別されます。

    まとめ

    認知症患者は今後も増加すると予想され、子供が老いた親の後見人になるケースも増えそうです。一方、成年後見の業務は少なくなく、後見人の負担はさらに重くなりそうです。

    万が一の場合に備え、それぞれの仕組みや活用方法について、しっかり理解して置くことが重要でしょう。

    この記事を書いた人

    佐藤喜三男

    佐藤喜三男

    大手証券会社、大手クレジットカード会社、新たな形態の銀行において、幅広い職種を30年間経験。これらの経験を活かし、ファイナンシャルプランナー兼相続診断士として、身近な事を何でも気軽に相談できる、資産・生活設計、終活・相続全般のゼネラリストとして活動中。