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親の自宅を売るなら相続前、相続後、どっち?

親の自宅を売るなら相続前、相続後、どっち?

親が保有する不動産。親が亡くなった後、誰も使う予定の無い不動産はどのように対処すればよいか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
相続する前に売却する場合と相続後に売却する場合どちらが得なのか。不動産の処分で曽他の相続人とトラブルにならないためにはどうすればよいのか。親の自宅を巡って考えるべきことはたくさんあります。
また、親がいつまでも元気とは限りません、認知症になってしまった場合や自分で売却することが困難になってしまった場合どうすれば良いのでしょうか。
この記事では、色々と問題も多い親の保有する自宅の対処法についてご紹介します。

    1.住んでいない自宅は売却するべき?

    親が高齢となり、優良老人ホーム等に終の棲家として入居をしてご自宅にはもう戻ってこないという場合もあるでしょう。そのような場合、誰も住んでいない自宅はどのようにすれば良いのでしょうか。まずは検討する切り口を考えてみましょう。

    ①相続税の観点から検討する

    親に相続が発生した場合、相続財産により相続税がかかります。不動産には様々な価格があり、相続税評価と売値(時価)は異なります。一般的に相続税評価は時価よりも低いと言われています。時価が相続税評価よりも高い場合は生前に売却して現金化することで相続税の対象となる資産が増えてしまい結果として相続税が高くなってしまう場合があります。
    時価は不動産仲介業者に査定を依頼すると概算で金額を教えてくれますので査定をお願いしてみると良いでしょう。

    相続税評価は自分で概算を計算できます。簡単に相続税の計算方法をご説明します。

    まず、土地の相続税評価の算出方法です。路線価地域であれば国税庁が定めた路線価格と土地面積をかけることで、土地の相続税評価を算出することができます。
    路線価格は1㎡あたりの金額が千円単位で記載されています。

    例えば、価格が200の地域に100㎡の土地を持っているとすると
    200×100㎡=20,000千円(2,000万円)となります

    市街地であれば、ほとんどの地域で路線価を使った計算で土地の評価を行うことができます。

    次に、倍率方式を使った計算方法をご紹介します。倍率方式は路線価が定められていない地域での土地の相続税評価を計算する際に利用します。
    倍率方式は固定資産税評価額に国税庁が定める倍率をかけて計算する方式です。
    倍率方式で計算する場合は地域と、宅地、田、畑等、土地の現況に応じてかける倍率が変わります。保有している土地の地域と現況を確認し、固定資産税をかけて計算をします。

    例えば、固定資産税評価額が1,000万円。倍率が1.1倍の場合の相続税評価は1,100万円となります。路線価や倍率は国税庁HPで簡単に調べることができますので、まずは該当の不動産の相続税評価を調べてみるとよいでしょう。そのうえで、親の自宅を生前に売却するか相続発生後に売却するかを検討してみるのも一つの考え方です。

    国税庁HP(路線価・倍率表):http://www.rosenka.nta.go.jp/

    ②相続財産の分割の観点から検討する

    相続人が複数いる場合は、相続発生後に財産をどのように相続するかを検討する必要があります。財産を相続する場合、現金や不動産を誰がどのくらい相続するかを決める必要がありますが、不動産がきっかけでなかなか分割が決まらないケースも多くあります。

    具体的には以下のようなケースです。

    ・保有資産における不動産の割合が高く、現金が少ないケース
    例えば、相続人が二人で自宅不動産の価値が1億円。現金が2,000万円の場合、どちらかが不動産を相続してしまうと、金額的にかなり不公平が生じてしまいます。
    一旦、共有にして売却するという方法も考えられますが、共有にしてしまうと手続きが複雑になってしまいますので、このようなケースでは現金化しておいた方が配分しやすいため、生前に自宅を売却して相続することも検討しておいた方が良いでしょう。

    ・自宅のメンテナンスを相続人のうち一人でおこなっている場合
    相続人が複数いても親の自宅の近くに住んでいる相続人がいる場合は自宅のメンテナンスはどうしても近くに住んでいる相続人一人に負担がかかります。
    いつも手入れをしている不動産を均等に分割することは、負担がかかっている側からするとなかなか感情的に受け入れ難いものです。
    一方、負担がかかっていない側は苦労の大きさになかなか実感がわかないため、金額的に公平な分割を求めがちです。このような場合でも財産の分割がうまくいかないケースも多くあります。
    特定の相続人に手入れの負担がかかり続けるのであれば、生前に売却をして負担を無くしておくことも検討してみると良いでしょう。

    2.不動産を売却する場合どうしたら良い?

    親の自宅不動産を売却しようとする場合、どのように行えば良いのでしょうか。不動産売却手続きの流れをご説明します。

    ①不動産を査定してもらう

    不動産を売却する場合、まずは不動産仲介業者に無料で査定をしてもらいます。無料査定の時点では必ずしも売却すると決める必要はありません。
    また、複数の仲介業者に査定を依頼することができますので、一つの仲介業者で不安であれば、複数の仲介業者に無料査定を依頼すると良いでしょう。
    但し、不動産仲介業者も慈善事業で査定を行っている訳ではありません。査定をすると売却してもらうためにしつこくセールスをしてくる業者もありますので、むやみに多くの業者に査定を依頼するのは避けた方が良いでしょう。
    無料査定をすると不動産仲介業者は土地の現況や前面道路の状況、周辺の取引事例等を考慮して売却可能な価格を提示します。

    ②媒介契約を締結する

    不動産を売却することを決めたら媒介契約を締結します。媒介契約を結ぶと不動産仲介業者は買主を探し始めます。
    媒介契約には複数の不動産仲介業者と媒介契約を結ぶことができる「一般媒介契約」と不動産仲介業者には1社に依頼し、自分で見つけた購入希望者には売却することができる「専任媒介契約」、媒介契約を締結した不動産業者でしか売却することができない「専属専任媒介契約」があります。

    全日本不動産協会HP(媒介契約):https://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/buy/6-3/

    ③不動産仲介業者が買主を探す

    媒介契約を締結すると不動産仲介業者が買主を探します。不動産仲介業者はインターネットによる広告や折り込み広告等で直接買主を探したり、REINSと呼ばれる不動産仲介業者同士のネットワークシステムを利用することで、別の仲介業者で不動産を購入したいと依頼している方にも物件を紹介できる状態にします。また、購入を検討する顧客が現れた場合、現地の見学や説明を行ってくれます。

    不動産流通推進センターHP(REINS):https://www.retpc.jp/chosa/reins/reins/

    ④価格交渉・契約

    購入希望者が見つかった場合、不動産仲介業者は価格交渉を行います。売主と買主双方が売買価格の合意に至った場合、契約手続きに入ります。売買契約の際の物件の説明や契約書の作成は不動産仲介業者が行ってくれます。
    これらの手続きのために不動産仲介業者には仲介手数料を支払う必要があります。
    不動産仲介業者に支払う手数料は上限が決められており、売買金額が400万円を超える場合の仲介手数料の上限金額は3%と宅建業法で定められています。
    この手数料は、契約書の作成や買主を探すことも含まれた金額で、契約書の作成手数料等の名目でも別途手数料を受け取ることは禁じられています。
    また、不動産の仲介業務は成功報酬です。買主を探しても契約に至らなかった場合は手数料を支払う必要はありません。法外な手数料を取ろうとする悪質な業者も稀にあります。
    しっかりと知識を持っておくことで、そのような不動産業者から法外な手数料を要求された場合でもしっかりと断ることができます。

    全日本不動産協会HP(仲介手数料):https://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/buy/chukai/

    3.親が認知症になってしまった場合、自宅は売却できる?

    ここまでご説明の通り、不動産の売却には複雑な手続きや判断が必要となります。親が高齢で認知症になってしまった場合、判断能力が低下して売買契約を締結することができません。このような場合、生前に売却した方が良いと判断した場合でも、親自身が売却手続きをすることができません。
    しかし、「成年後見制度」を活用すれば親が認知症になってしまった場合でも、代理人が自宅を売却することが可能です。成年後見制度とはどのような制度なのでしょうか。成年後見制度についてご説明します。

    ①成年後見制度とは

    成年後見制度とは認知症や知的障害等により重要な契約等の判断能力が不十分な方のために代理人を立てる制度です。成年後見制度を申し立てることにより、判断能力が不十分な方の代わりに代理人が本人に代わって契約をすることができます。
    代理人は弁護士等の専門家や家族がなることも可能です。

    法務省HP(成年後見制度):http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html

    ②成年後見制度手続きの流れ

    成年後見制度を利用するために、まず家庭裁判所に成年後見の申し立てをします。
    その後、家庭裁判所の調査官が事実確認を行います。この事実確認では申立人、本人、成年後見人候補に不審な点がないかを確認します。
    問題が無ければ家庭裁判所から「審判書謄本」をもらい、法務局に登記され、後見が開始されます。
    後見開始は申し立てから4か月から半年ほどかかる場合もあります。
    家庭裁判所に申し立てをしてすぐに成年後見人が手続きをできるようになるわけではないので、余裕をもって申し立てを行うようにしましょう。

    4.生前に親の自宅を売却する際のメリットとは

    生前に親の自宅を売却する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。生前に売却する場合のメリットについて詳しく見ておきましょう。

    ①維持費・メンテナンスの手間がかからない

    不動産を保有していると固定資産税やメンテナンス費用がかかります。また、不動産は人が住んでいないと傷みやすいので定期的に窓を開けに行ったり、庭がある場合は草刈りを行ったりと手間もかかります。維持費や手間の観点からはなるべく早く不動産を売却した方が有利です。維持費やメンテナンスに費用や手間がかかるのであれば、生前に売却を検討するのも良いでしょう。

    ②売却して得た現金を介護費用や生活資金に充てることができる

    親が施設などに入っている場合、介護には多額の費用がかかります。自宅を売却して現金を得ることができれば、親の介護費用や日々の生活資金に充てることも可能です。
    人生100年時代と言われ、定年後の人生が長くなっていますので、不要な不動産を持つよりは現金で持っておく方がいいという考え方を持つ方も増えています。
    親の老後の生活を充実させるためには、自宅を現金化しておくのも一つの選択肢と言えるでしょう。

    ③相続後に財産の分割がしやすい

    不動産は相続後に分割し難い財産です。しかし、生前に売却をして現金にしておけば相続財産の分割は容易です。
    また、不動産を相続すると不動産の相続税評価の計算や登記手続き等に手間や費用がかかりますが、現金にしておけばそのような手間もかからない点もメリットとなります。

    5.生前に不動産を売却するデメリット

    生前に不動産を売却するデメリットはどのような点があるのでしょうか。確認しておきましょう。

    ①他の相続人に反対される可能性がある

    自分たちが暮らした実家を売却することに抵抗を覚える方も多いようです。
    本人の意思で売却したとしても、他の相続人からすると近くに住んでいる相続人が売却を勧めたように見えます。一度売却してしまった資産を買い戻すことは非常に困難です。売却する前に、他の相続人の意見も聞いて合意の上で売却した方がよいでしょう。

    ②相続税評価が高くなる可能性がある

    不動産の相続税評価は時価よりも安く評価されることが一般的です。そのため、生前に売却して現金化していると相続税が高くなるケースもあります。
    相続税評価は土地と建物の評価を基に計算されます。特にマンションは土地部分が少ないため、相続税評価が時価よりも低くなりやすい傾向があります。
    自宅を売却する場合は時価と相続税評価にどれくらいの乖離があるかも確認して売却した方が良いでしょう。

    ③親が帰ってくる場所が無くなってしまう

    優良老人ホーム等に入所後も、たまに住み慣れた自宅に帰りたくなる方も多いようです。その時に自宅を売却してしまっていると、帰る場所が無くなってしまいます。
    また、自宅に荷物を置いているという方も多いようです。優良老人ホームには自宅ほど大きいスペースが無い場合が多いので、荷物は処分せざるを得なくなるでしょう。
    暮らしなれた家は高齢の親にとって心の支えとなっている可能性もありますので、精神面もしっかり考慮して売却は決めた方が良いでしょう。

    6.相続後に自宅を売却した場合の特例制度

    現在日本では空き家が社会問題となっており、政府は空き家を減らすために様々な対策を行っています。
    特に高齢者が住んでいた不動産は死亡後に空き家となるケースが多いため、相続した自宅不動産が空き家とならないように、政府は2016年に新しい特例制度を新設しました。相続人は被相続人が自宅として使用していた不動産を売却した場合、譲渡所得から3,000万円特別控除を受けることができる制度です。
    具体的にこの特例制度について説明します。親が5,000万円で取得した不動産を8,000万円で売却したとします。

    この場合、相続した不動産の取得価格は子も引き継ぎますので、5,000万円で購入した不動産を8,000万円で売却して3,000万円利益を得たことになります。
    5年以上保有した不動産を売却する場合、利益に対して所得税15%、住民税5%で合計20%課税されます。3,000万円の利益が出た場合は、

    3,000万円×20%=600万円
    が本来かかる税金となりますが、3,000万円特別控除により税金の計算上の利益は

    3,000万円‐3,000万円=0円
    となり税金がかからないため、600万円の節税効果があります。

    これはマイホームを売却した際の3,000万円特別控除と同じ控除額となっています。

    2016年以前は自宅不動産が値上がりしている場合、生前に売却した方が特別控除を使える分有利な制度となっていましたが、現在は相続した空き家を売却した場合に同じ金額の特別控除を使えるため、売却した場合に受けることができる特別控除のメリットは生前でも、相続した後でも同じとなっています。
    そのため、相続した不動産を売却した場合の特例が新設されたことにより、マイホームを売却した場合の3,000万円特別控除を利用するために慌てて不動産を売却する必要は無くなりました。

    国税庁HP(不動産を売却した際の税金) :https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm
    https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm
    国税庁HP(マイホームを売却した時の3,000万円特別控除の特例): https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
    国税庁HP(相続した空き家を売却した時の3,000万円特別控除の特例):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

    7.まとめ

    自宅の不動産を売却する際の流れや相続前後に不動産を売却する際のメリットやデメリットをご紹介しました。

    相続不動産の売却は他の相続人との人間関係や不動産の相場、税制等複雑な事情が絡み合うため、一概にどちらが得かということは出来ません。

    しかし、あらゆる知識を身に着けることで正しい判断をすることができます。相続や不動産の売却は普通の人が何度も経験することではない為、わからないことが多いのは当然です。

    法律や税制面で不明点があれば、あいまいなまま判断せずに弁護士や税理士に相談した方が良いでしょう。

    この記事を書いた人

    すずきママ

    すずきママ

    大手信託銀行で9年間勤務。資産運用・相続・不動産等、お客様の資産に関する総合的な提案をしておりました。出産を機に退職し、ママさんライターとして活動しています。ファイナンシャル・プランナー2級、簿記2級。